2008年12月06日

レビュー:いせ ひでこ『ルリユールおじさん』/ 絵本

ありし日の父の姿に思いを馳せながら、「わたしも魔法の手をもてただろうか。」と心の中でつぶやく。
その姿はすでに老人だ。
職人の悲哀と、その裏に潜むいまだ尽きぬ情熱。

こんなにも少ない言葉で、熱い思いを伝えうることの驚き。
たくさんの言葉で書き連ねたのでは、表せなかったであろう感動が、ここにはあると感じた。

父の頃の作業場には職人が何人かいて、明るい活気を感じる。
今のルリユールには年老いた主人公が一人、時代から取り残されたようにさびしく背を向ける。
こんなふうにさりげなく、読む者にメッセージを投げかけてくる。
そんな描き出し方が、ルリユールおじさんへの強い共感を呼び起こしている気がする。

【ルリユールおじさんに関するブログ】


posted by K/I at 10:47| Comment(0) | TrackBack(0) | レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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